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6月 9日(木) 代官山:晴れたら空に豆まいて
「晴れ豆ロックの日特別企画『四畳半ロック!エンケン 対 マエケン』」
【出演】遠藤賢司 / 前野健太





ステージには上手側にピアノ・中央に弾き語り用に椅子とマイク、奥にフェンダーアンプ・下手にエレキ、白グレッチが配置されている。
丁度9時頃、下手側からエンケンさんご登場。

まず白グレッチを抱え、轟音弾き語りでライブは始まった。ホワイトファルコンの高貴な外見からは信じられないような過激な音が出てくる。
「女に振られた~」と、これまでに聴いたことの無い歌い出しで始まったのはそれもそのはず、なんと新曲【ブルースに泣く】!!
ギターのアームを引き千切りそうな勢いでグワングワン掴んで音を鳴らす。まだ1曲目なのに叫ぶ叫ぶ!!
客席がスタンディングでないのが勿体ないと思う程、会場のテンションも上がる!


中央椅子に移動して生ギターのチューニングを確認。2曲目は待ってましたの【不滅の男】!
3番の後に間違えて2番の歌詞を歌っていたような・・・そりゃ500メートル全力疾走するよりも苦しいであろう演奏。酸欠にもなるであろう。歌詞も飛ぶであろう。2番を2回も聴けて得した気分(笑)
「不滅のォ・・・ぅお~とこぉお~!!」と叫び座りながらの四股踏みで見得も決まった!
普段歌い終わった後は、人が変わったように急に冷静になったように見えるエンケンさんが、今回は歌い終わった後も興奮収まらず「うおおおォッ!!」と突然絶叫!!
今日のエンケンの気合いは尋常にあらず!客席も興奮!突然叫んだから近くにいたローディーさんもビクっと驚いていた。


ウクレレに持ち替えて【寝図美よこれが太平洋だ】
ドボン・ド・ダバダダッダ♪の低いコーラスと裏声のコントラスト。声質の振り幅が面白い。
途中エンケンは声を詰まらせる。単純に歌詞を間違えたか?イヤ、3月の震災以降、歌詞の内容がよりリアルに感じられて胸を詰まらせたのか。それはエンケンさん本人にしか分からない。


再び生ギターに持ち替えて【外は暑いのに】
ハープの、本来音が鳴らない部分からも音を出そう、とするような演奏。冒頭のエレキの演奏といい、楽器のあらゆる可能性を試そうとしているように見える。
扇風機の風や外の乾いた空気、太陽の暑さ、人肌の湿り気・・・色んな物が音を通して見えてくる。


「来てくれてありがとう、エンケンです」会場、拍手。

「僕が猫を好きだと言うと、女の人が1人か2人ファンになってくれます。
6月の末頃に『ミュージシャンと猫』という本が出ます。良かったら買って下さい」
6月17日発売!


「今日みうらじゅんが来てくれて、つっこみ如来を差し入れで頂きました。」箱から取り出して見せる。会場、笑。
懐中電灯にもなるという優れモノ!http://auction.jp.msn.com/item/117769043


「僕はこのつっこみ如来が大好きで地震の時に玄関に置いてたのが壊れてしまったとマネージャーさんに言ったら、じゃあ今度あげるからと言って今日持ってきてもらった。
僕は目の手術を二回ぐらいしたのですが、病室に必ずコレを飾っていたら看護婦さんに、なんか変な宗教やってるんじゃないかと思われた。
看護婦さんはみうらじゅん知らない人が多くて、説明しても分かって無駄だなあと。
怪しいなあと思われてる節がありました」会場、笑

「つっこみ如来可愛いよねえ。俺はみうらくんの文章もすごく好きで。
つっこみ如来とか仏像さんは、お坊さんが拝む為でもあるけど、オナニーの為の偶像なんじゃないかという解説がすごく好きで。
総てのものつくりは、そこから始めるべきなんじゃないかと思います。きっと前野くんもそう思ってると思います」


「次はピアノをやります」と言って上手側のピアノに移動。

椅子に腰かけてプラプラと手首を準備運動。
演奏するのになかなか良いポジションが決まらないのか、暫く落ち着き無く弾かずに何度か座り方を変える。納得がいったのか突然、鍵盤に指を走らせる。
【君は僕の人魚姫】
1音1音、噛み締めるように丁寧に奏でる。今回は特別な思いが込められての演奏であることが後のMCで分かる。


中央に戻って生ギターの弾き語りの準備。ハーモニカホルダーにカチャッっと、ハーモニカを嵌める好い音が響いたのがとても印象に残った。


「今度鈴木慶一くんとサッカーのwebマガジンで対談します。
自分のチームならこうする、と対決することになってて。僕は悪どい奴とか沢山入れて。
僕は昔よく話したんですが、日本に一番足りないのは『自分の発想」だと思います。
ブーイングとかも、胴周りが細い日本人がブーってやっても『Boo!』というのはその国の言語ですから、真似してもしょうがないなと思います。
日本ならではの、僕はまったくの無宗教ですが、仏教の国というイメージがあるんだったら・・・」
と言っておもむろにメモ用紙を取り出し、エンケン流サッカー応援観戦講座を始める。
そのメモがコレ(笑)↓ライブ後に撮らせて頂きました。

「男は真っ白に両目に日章旗を描きます。目を閉じた時に日の丸になります。
それで『南無~(低い声で)』ってやります。もしくは犬役で『ワンワン!』と吠える。敵選手は絶対に慌てます。」

「女の子はつけ睫毛をします。そして目の周りに日章旗を描きます。
赤いつけ睫毛を上下に付けて、閉じると赤い日の丸になります。わかりますか?!」と力説。

「片方は目を開けてると、なかなか猥褻感があって、敵選手はイチコロです。
女の人は猫の声で『にゃあにゃあ』って応援すると良い。そしたら敵選手は『にゃははぁ~ん』ってメロメロになるハズ。是非やってみてね!」
にゃあにゃあにゃあにゃあ猫真似するエンケンさんに会場は大ウケ。


「なんだエンケン、喋るんじゃない。って思ってる人いるかもね。本当はあまり喋りたくないんだけど、でもいっぱい書いてきちゃったから」と言って律儀に用意したメモを見ながらライブ告知。そして重大発表!

「来年の1月13日、僕の誕生日なんですが新しいアルバムを出します。そろそろライブをしながら曲作りをして、録音モードに入りたいと思います。
今日一番最初にやった【ブルースに泣く】という新曲もまだまだ作り込んでいって、ヒットを飛ばしたいな!って思ってます。
いつもそう思っててヒットしたことはありません」ちょっと自虐ギャグに会場は苦笑。


「僕の音楽は何でもアリなバーリ・トゥードな音楽です。そう思って聴いて下さい。
フォークとかロックとか分ける必要はまったくありません。好きで聴いた音楽が音楽なんです。
早くそういう国になってほしいなと思います」

「音楽は本当にその国の宝だから。演歌とかロックとか、なんでも良いんですよ。よければ何でも」

「山本作兵衛さんという画家の田川市の炭鉱の町の人たちの生活を描いた作品が、ユニスコの記憶世界遺産に登録されたって大騒ぎになってるんですけど。
ニュースを読んでる人も、なんでこの人が?っていう感じで読んでるんですが、僕は昔からその人の炭鉱の本を持ってて良い絵だなあて思ってた。
なんか、どこかで、『なんで?』って思ってる国は嫌だなあと思いました。
その人が炭鉱の生活を描いているからじゃなくって、良い絵なんですよ。
『良い絵だから』って、音楽の聴き方もそうだと思います。
映画もそうだと思います。恐怖映画だろうが恋愛映画だろうが、良ければ何でも良いと思います。」

と、再びさっきのメモを取り出し、
「勇気ある女の人は、是非実践してね。お願いします」


突如演奏モードに切り替わって【満足できるかな】
ギロチンスクラッチの大迫力よ!鬼気迫る演奏に今回客席からも一番大きな拍手と歓声が起こったように感じた。


「前も言いましたが、僕が地震があって良かったなって思ったことは、神様のせいにしなかったことです。
一番大事なことはいざとなった時に自衛隊が軍隊だと認めることが重要だなと思います。
いざとなって市民に銃口を向けた時、ちゃんと制御して慌てずにやれるか。
右翼だろうが左翼だろうが、自分の中でバランスを取ってることが、一人の人間として本来ある姿だと僕は思っています」

「やたらと平和ばかり言う奴が嫌いです。そんな平和はありません。
あるコンサートで、男が僕に言いました。『テポドンなんか落ちてくるわけがありませんよ!』って。
なんで分かるんだろ。そんな馬鹿な奴がこんなコンサートやってるんだなって思いました」

「色んなことがあるもんね。急にね。
でもうちの墓場の猫たちが、みいこちゃんがもう多分子どもを産んでるんだと思うんだよね。
去年の秋ぐらいもチビ、チョビ、親爺という猫を3匹産んで、うちの庭で猫じゃらしで遊んでるんだけどある程度大きくなったら、もう噛み付いて怒りだしてたね。
子どもがお腹にいるんだなってその時思った。
猫はカッコイイよ!俺にはとても出来ないなって思いました」

「猫のように生きろとは僕は言いません。僕は僕で弱虫ですから。
放射能を浴びた野菜をわざと食ってやろうなんてしません。
僕の体です。僕のお金です。美味しい物は食ってやります。
僕はそれが本当の民主主義だと思うし、それがどこまで安全かって測って、今はそれが一番大事だと思います。
皆が同じようにすると、結局戦争中と同じようになると思います。
皆と同じように、皆で皆でって凄く嫌いです。自分の勝手だと思います。
俺は嫌だ、まずいから恐いから食わないよって。それで良いと思います」

「そういうと『なんて冷たい奴なんだ!』って、冷たくなんかねーよ!
俺は野菜見るといっつも泣いてるわ。俺の体だ!ほっとけ!」


吐き捨てて、ガガンと強力なストロークを振り下ろして空間を切り裂く【夜汽車のブルース】
ギターを掻き鳴らす!叩く!どんどんギターのボディーが削られていく。
「ポッポー!!」という叫び声とハーモニカの音が同時に発せられて、夜汽車が轟音で駆け抜けて行く音・噴き出す蒸気・けたたましい踏切音、色んなイメージが押し寄せて聴いてるこちらも息苦しい。狂ってしまいそうだ。


会場の大きな歓声と拍手に包まれて、エンケンさん退場。

拍手鳴り止まない。アンコールを催促する拍手にエンケンさん再登場。



「去年も同じ日にここで出してもらって、いつも企画してくれた角野恵美子さんという人がつい半年くらい前に急逝されたと知りました。
とても好い人で、ライブが終わった後に僕はあんまりそういうのは得意じゃないんだけど、若い人を連れてきて『こちらはエンケンさんです』って紹介してくれたり、
『いつかこの人と一緒にやって下さい』って一生懸命音楽を、少ない人数でも志有る人達でやっていこうって評論も書いてたらしいんですけど、亡くなったと聞いて本当に残念でした。
さっきピアノを弾いてた時、最後の方はその人の顔を思い浮かべて弾きました。」

【夢よ叫べ】
寂しさと感謝の気持ちが込められたように感じたのは、いつも厳しい目で激励するかのように客席1人1人の顔を見ながら歌うエンケンさんの表情が、今回はとっても穏やかな微笑みを浮かべての優しい眼差しであったから。
そして最後のキメの大技!「ゆぅ~めよぉ~・・・(息継ぎ)・・・さぁあけべぇ~~~~~~~~!」の絶叫大回転!
なんと回りに回った5回転!イヤ、6回?!とにかく早めにぐるぐるとマイク前で綺麗に、回転をキメたエンケンさん!
歌に集中しすぎてカウントを誤った・・・なんたる不覚!!ス・・・スイマセン!!


ふうう~~~・・・と深~い息を吐き、静寂が会場を包む。
「ふううんッ!!」と見得を切りだすと会場からは割れんばかりの大きな拍手。
そんな会場の反応に気を良くしたエンケンさん、満面の笑みを残し、のっしのっしと大股歩きでステージを後にされたのでした。




















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