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■9月23日(祝)  東京・渋谷:B.Y.G
「遠藤賢司・弾き語り ひとりぼっちの純音楽 ~其の17~」 
【出演】遠藤賢司
 


ステージには上手側にピアノ、中央に生ギター、下手側にエレキ・白グレッチが配置してある。
今回ドラムセットは使用しない為か、下手奥側にカバーを掛けられている。
客入れBGMは郷ひろみから演歌などなど。エンケンさん持込みのカセットテープから優しい音が出ている。

エンケンさん和風の花柄シャツにダメージデニムの衣装でご登場。
右手の人差し指の第一関節あたりに血がにじんでいた。本番さながらの激しい練習とリハーサルで傷ついたのだろう。
「来てくれてありがとう」とポツリと呟く様に挨拶すると客席から拍手と声援が飛ぶ。


ステージにセットされていた生ギター三郎を抱え、先日NHK-Eテレで放送された「ミュージック・ポートレート」にて話題となった【ラーメンライスで乾杯】を1曲目に披露。
続けて渾身の【不滅の男】
ギターを二郎に交換して、アップテンポな雰囲気から突然闇に放り込まれる【スクリュー】の重力。


会場大きな拍手。「ありがとう」

いつものMC用メモを見ながら、
「偉そうなこと言うと、良い音は心に指を突き出して、深く深く抉りながら、左右に尚も押し広げていくようなものだと思ってます。
痛みも喜びも悲しみも、深々と心に突き刺さるように、ぐりぐりぐりと出すのが良い音だ」

 

生ギター三郎のチューニングを確認してから、突然激しく原曲よりもかなりテンポの早い【東京ワッショイ】
大体いつもはライブの終盤に持ってくるナンバーを、惜しげもなくライブの冒頭に演奏するとは珍しい展開。
ライブは始まったばっかりだと言うのに、声が枯れるのも恐れないかのように息継ぎもせずに叫ぶ!ワッショイ!ワッショイ!

ギター交換はせずに続けて、生ギターでの演奏は珍しい【フォロパジャクエンNo.1】
ラストのキメ、長~く「ナンバーワあぁァ~ぁあ~~ンッ!!」とわざとマイクの距離を近く置いて音を割らして叫ぶ。

 

「15日まで伊豆のスタジオに録音してきました。また行くんですが。
スタジオの住み込み猫のかぶきに会えると思うのですが。こいつが凄く可愛くて」
※かぶき・・・アルバム『君にふにゃふにゃ』のブックレットの裏表紙の猫。

「かぶきに会うのが楽しみで。大体スタジオの入り口で会うのですが、フェンダーローズのキーボードの上で横になっていたり。
なんといっても餌をねだる時に『ごは~ん』って言うんだよ。
録音しようとして何度もやったんだけどその時は『・・・・・・(無表情)』って黙ってて。
凄く可愛くて、俺の家が貸家じゃなかったら飼いたいなって思うぐらい。
帰るときは冷たいもんで、また『・・・・・・』って黙ってる。
もう会えないんだなあっていうのと、なんだもうご飯くれないのか。さっさと行っちまえって思ってるんだろうな」
猫の表情から泣き真似まで披露しながらのおなじみの猫トークに、会場内もふにゃふにゃと微笑ましい雰囲気に。

 

「来年の1月13日、僕の誕生日に新しいアルバムが出ます。実はまだタイトルをどうするか迷っています。
ジャケットも自分で作ろうかなあ。今までは口だけ出してデザインをやってきたんだっけど、携帯のアプリでジャケットを作るのも良いかなあ。色んな事を悩んでいます」


「時々やってました【帰ってきたケンちゃん】という曲で、僕が目の手術をした時に作りました。これも題名で迷っているのは【エンケンがやってくる】も良いかなあ。
これは完璧に録音出来ました。山本恭司とワイルド・フラッグとやりました」

エンケンさんの頭の中では、大好きなデュワン・エディのギターをイメージして作った、とのこと。
【帰ってきたケンちゃん】

「山本恭司くんがリード・ギターを付けてくれてカッコイイですよ。俺の黒のグレッチで弾いてくれたけど、グレッチだと音がウエスタンっぽくて曲に合ってて。
恭司くんとは後は、【夢よ叫べ】だけが残ってて。多分それが最後のレコーディングです」

 

「今日初めて人前で歌うんだけど・・・まあ、みんな福島だけじゃなくて色んな事があったんだけど、自衛隊の人は凄いなあ。自衛隊はハッキリ軍隊だと認めて、もう一度法律を作り直した方が良いと思います。
それが本当の民主主義だと思っています。災害救助隊じゃないんだとしたら、やっぱり自衛隊は軍隊なんだ。
死体の山だとか腐った水の中を潜ったり、放射能を浴びたり・・・でも認めないんだよね。でも皆責任を持ってちゃんとやってるから、凄いなあと思います。
そういうことも含めて、色んな人がいるよね。一生懸命やってる。

もう一つは、エンケンバンドのメンバーや遠藤ミチロウ、パンタ、皆ちゃんとやってる奴は『俺が死んだ時、俺の凄さが分かるんだ』ってやってると思うんだよね。皆さんもそうだと思います」

これはエンケンバンドでレコーディングしたそうです。構想は【プンプンプン】を元に、時々歌い方が友川かずきになる、とのこと(笑)
「友川かずきも【俺が死んだ時】のメンバーに含まれている。あくまでも勝手に」


「日本の歌手は凄いんだって思ってほしいんだよね。洋楽はロクなヤツがいないなって思ってます。
あっ一人だけ・・・オジー・オズボーンが凄いなあと思います。」


新曲【俺が死んだ時】
初めての演奏だというので緊張して力が入りすぎたか、歌い出し間もなく弦が切れてしまった。演奏を中断してギターを三郎から二郎へ交換。
「あまりにも初めなんで、もう一回やります」と仕切りなおし。
エンケンが演奏を中断するなんて、実は凄く珍しい場面だ。

演奏後、会場から大きな拍手。そのショッキングな題名と歌詞の内容に納得しての拍手。
「ああ、嬉しい。その拍手、本当に嬉しいです」
余程緊張していたのか、心の底から安心したようにか細い声。


「でも俺は実際そう思ってる。皆そうだよね。そう思って生きていこうよ。
その方が楽しいよ、俺は凄いんだ!って。その分ちゃんとやれば良いんだ。
俺は怠け者で甘えん坊だけど、好きな音楽だけは逃げたことが無い」

 


「なんか俺は年と共に、どんどんAC/DCや、モーターヘッドになっていくような気がします。もともと好きだったんだけど」会場、笑。


「僕の親戚がレコード店のチェーン店で。俺はどこに配置されてるの?って聞いたらフォークに入ってる、だって。
俺は『遠藤賢司』だったら良いんだけど・・・俺はフォークの人達と趣味がまったく合わないんだよ!
モーターヘッドのレミーの話とかスレイドとか、不可能だから!
『遠藤賢司』のコーナーを作ってくれって言ってもそういうのは組織の上から決められたことだからって・・・うん、分かる分かる」


「矢沢栄吉もフォークに入ってるんだって!それは違うだろ~!俺はいいからせめて矢沢は一応ロックに入れてやってくれよ!」


「面白いねえ。日本語の比率が高いとフォークなんだね。単純すぎるよね。
今の若い子はJ-POPに入るらしい。くるりなんかはJ-POPなんだって。
あっもしかしたら年齢制限があるのかもしれない」会場、笑。

「頭脳警察も昔からやってるからフォークなんだって。でもパンタはAmとかGmとか使ってフォークのそういう要素が好きでやってるから、そういう使い方は好きで正しいと思います」


では新曲歌います、と演奏を始めたものの、カポの位置を間違えたり、やはり新曲は凄く緊張するようで・・・
「ごめんね」と小さく可愛く呟いて仕切りなおして、三郎での新曲【心の奥まで抱きしめて】
名誉挽回と気合満タンで「オレィ!!」

 

立ち上がり、下手に移動して白グレッチ、ホワイトファルコンを抱える。
今回ギターヘッドには白い猫のマスコットとお守りが3つ並んでプラプラ付いていて可愛い。
そんな愛らしい外見でも、奏でられる音は心臓が軽く痛くなる程の轟音!
【チャントヤレ!】

歌詞を聴き取れないぐらいギターの音が激しいが、負けじと叫ぶエンケン!
マイクで拾いきれない音も聞いてくれ!とばかりにギターを弾きながら客席にやってくるエンケン!
惜しくもシールドの長さが2階の入り口辺りまでしか足りなかったが、もしワイヤレスだったらどんどん奥まで入って最後席の観客まで音を聞かせに行っただろう。


そんな「チャントヤル」パフォーマンスの演奏後にハァハァと息を切らしながら
「コレもアルバムに入っています。一人でこの白いギターでやってます」

 

息を整えながら上手のピアノに移動して、先程の激しさが嘘のように静かなピアノ曲【死んじゃったお母さんの夢】


中央に戻り【とても言えないこんな夢】
優しく撫でる様に奏でる音が、まるで歌詞に出てくる女の子をキラキラと輝かせているように眩く優しい。

続いて【カレーライス】
珍しく中盤のギターソロが短くてあっさりめ。
いや、凝縮されてやはり味は濃い。そんな印象。

 

三郎にギターを換えて【踊ろよベイビー】に続いて【満足できるかな】
客席は手拍子で盛り上がる!


「前回やった時は震災の後の3月21日で。今回もだけど、その時来てくれてありがとう。
あの時ピックをあげたのは何もあげるものは無いから、出口で練習で削りに削ったやつをあげたいなと思いました」

 

「皆が今日も来てくれるってことは、俺に頑張れって言ってくれてるんだよね。
いつも始まる前は出来るのかなあって思うんだ。
でも始まると皆の顔があって。ちゃんとやらなきゃって思ってやるんです。
来てくれてありがとうございました」会場、拍手。

 

ギターを二郎に換え、演奏する毎に激しさを増して、500m全力疾走よりも遥かに体力を消耗する【夜汽車のブルース】
1ストロークの1音1音が重く響き、轟音を上げて疾走する夜汽車を見事に描いてみせた。
テンポが早いのにも係わらず重厚感を失わない音世界、表現力に圧倒される。

「ポッポォーーッ!!」と絶叫しギターを勢い任せに置いて、エンケンさんご退場。
会場拍手鳴りやまず、アンコールを催促。


エンケンさん再登場。
女性ファンの声で名前を呼ばれると、嬉しそうに「それだけで生きていけます。ありがとう」会場、笑

 

【夢よ叫べ】
会場全員の観客の目を一人一人、しっかり見つめながら歌う。力が篭った瞳は、一点の曇りも無い。
ラストの決メ、絶叫大回転は声を振り絞って・・・2回転!
声は十分伸びていたがステージが狭くてマイクとピアノの距離が近い為、アクティングエリアを確保しながらの回転が難しそうだった・・・。


ここでいつもの見得を切って退場・・・かと思いきや、「【お母ちゃんに捧げるメロディー】をやります」とハーモニカのみのインストゥルメンタルを披露。
ずっと親孝行がしたいと言っていたエンケンさん。なにか特別な思い入れがあってのことだろう。
ハーモニカの寂しくも物悲しい音色が会場を包み込んだ。


静かな余韻を遮り静かに息を吐いて、「ふん!」と大見得を切るエンケンさん!
拍手喝采を浴びながらご退場。
客出しBGMに【君にふにゃふにゃ】が流れる中、名残り惜しい拍手が会場に残った。
 

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