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■11月 6日(土)  渋谷:B.Y.G 「遠藤賢司 ひとりぼっちの純音楽 霜降月~その15~」
【出演】遠藤賢司


開場予定時間が過ぎても、地下のライブ会場から漏れるリハーサル音が止まない。
開場20分押しの開演15分押し。久しぶりのワンマンライブで、余程の緊張と気合が入ったのだろう。
上手側に置かれたフェンダーアンプの上には、赤のマジックで「エンケンちゃんと演れ!(猫マーク付き)」と書かれた白いガムテープがベタ貼りされていた。

エンケンさん両手を広げて、観客の拍手に応えながら登場。
1曲目から全力で黒グレッチでの轟音。
近頃MCで歌詞を朗読することはあったが、ようやく今回、満を持して新曲【ちゃんとやれ!】の完成形を披露!
轟音で黒グレッチをかき鳴らし始めるが、途中で少し止めて、ステージ奥に置かれたピアノでチューニングを確認するエンケン。
音を確認した後は遠慮無く音の洪水を浴びせてくる!
この1曲だけで体力を使い果たしてしまいそうな勢いの絶叫の嵐!
途中下手奥のドラムセットに移動し、スティック2本鷲掴みで親の仇のように打ちまくる!
気が済むまで叩いた後は、またマイク前に移動する。
エンケンが自由に移動する間、シールドを介錯するローディーさんの緊張感、大変さは計り知れない・・・。


ハァハァと息を切らしながらグイっとペットボトルの水を飲む。
「・・・来てくれて、ありがとう・・・」


「実は不安で・・・出来るのかなって。始まる前はいつも、嗚呼、俺の音楽人生も今日で終わるんだって思うんだよね。
でも弾き始めると大丈夫なんだよね。ずっとそうだ。」


「今日はあまり喋らないでおこうかなあって思ってて。何故かと言うとブログで色んなこと書いてるから、喋ること無くなっちゃってて」


「時間が遅れてごめんなさい。エレキとドラムの組み換えとか色んなことやってて、遅れてしまいました。すいません。」

律儀に謝ってから【幾つになっても甘かぁネェ!】
「甘かネェ~!」とシャウトした残音が、エコー掛かったような響き。


「尖閣諸島のあのビデオ、面白かったね」脈絡も無くポツリと時事ネタを呟く。会場、笑。
 

【早く帰ろう】



「この前神田共立講堂でフォークの集会があって、色んな人が出たんだけど。
凄く音が良いんだよね。古い会場で1800人規模だと、多分日本一音の良い会場だね。
九段会館の音も良いね。あそこでまたやりたいなと思いました。 」

ギターを爪弾きだしたが、ふと気付いて、「・・・カレーライスをやるところだった・・・」と間違えてセットしたハープを交換する。
ギターのヘッドには数字が貼り付けてある。それを指して、
「この『3』はYAMAHAの三郎です。今日は2.3.4の二郎と三郎と四郎の三兄弟を使います」



「こんな寒い日に~」と冬バージョンに歌詞を変えて【ラーメンライスで乾杯】


「お客さんには悪いけど、久々のソールドアウトという言葉・・・嬉しいなぁ」会場、拍手。

「また来てね。またソールドアウトしてね。せめてこの会場くらいはソールドアウトしたいよ。あと何年やれるか危ういモンだよ」
 

「あ!これを言っておかなくちゃ!大事なことだから!」と慌てていつものMC用のメモを取り出して棒読みで、
「ローバート・ロドリゲスの『マチェーテ』という映画が今日から上映です。俺は見るぞ!・・・これだけ(笑)」何を言うかと思えば、と会場笑。
 

「良い映画だと思います。でも心臓の弱い人は見ない方が良いと思います。笑いと暴力と優しさと、全部溢れてる。主人公の顔が良いんだよね。ゴツゴツの見るからに悪そうな恐いぞ~!って顔してる。でもそういう奴に限って良い奴なんだよね。」

「墓場の猫だってそうなんだ。顔のデカイ奴が多くてね、皆カワイイんだ!臆病でコラって怒るとビクってして逃げて、おいおいって呼ぶと(顔をふにゃって崩して)甘えてくるんだよね。
次の日ウチの庭で遊んでたりするんだよ。可愛いよね。ホント、俺にそっくりだよ」会場、笑。
 

「最近はカレーライスはハーモニカを入れて演ってます。飽きたらまた無しで演りだすかもしれない」
【カレーライス】
演奏後の拍手に小さく、「ありがと」と呟いて【満足できるかな】



「昔から気になる絵があって・・・岸田劉生の『麗子微笑』なんだけど。
年と共に、モナリザの微笑みなんかよりも、もっともっと大事だなあと思って。ず
っと気になってたら、そのひ孫さん?玄孫さん?とたまたま会う機会があって。
その人は昔からその絵は凄く気持ち悪いとか言われてて凄く嫌だったらしい。
僕はいや、そんなことはない、と。
モナリザなんかより何故大事かと言うと、やっぱり日本語で微笑んで日本語で語ってくれるってのは大きいな。
僕はモナリザはなんか・・・高見から見下ろしてる微笑みとしか思えなくて。
なんであんなのが良いのかなあと、僕は冷たいものしか感じない。
恐いとか気持ち悪いとかって思うのは、自分に近いからだろうね」


「日本語のロック論争なんてのが昔からあって、くだらないなと思ってたけど、未だに続いてるんだよね。
人によっちゃロックは向こうのものだから、どうして俺たちが追従しなくちゃいけないとかそんな考えの人もいて。
やっぱり情けないなあ。奴隷の国だなあ。
僕には【ビートルズをぶっ飛ばせ!】という曲があるけど、ビートルズには好きな曲もそうじゃない曲もあって。
ビートルズだったらなんでも良いとか、追従してる人が大嫌いで。
ジョン・レノン記念館が無くなって良かったと思います。もっと日本には他に大事なものがあるんだよね。
もっと自分の土地のものを発掘していった方が良い国になると思う。
本場は自分の心の中にあるんだよね。俺の音楽がやれるのかどうか、だから。
俺の音楽がやれれば、そこが本場になるんだよ。本場にならないんだったら止めた方が良い。」
 

「モナリザが良いってのは小学生の頃から皆が良いっていうからそうですか、ってだけで。
日本語で語った方が責任が持てるし、例えば「お父ちゃんコレ似てないよ」っていうことが言える様な空間を持つことが大切だと思う。
アルタミラの洞窟だとか牛の絵を描いたり人間が始めて絵を描きだしたり、「隣の村にこんな顔の奴がいる」って人に伝達する為に始める絵というのはカッコイイと思う」



「最近なんで俺はこんなにハードな曲ばかりやるようになったんだろうと思うようになって・・・」会場、笑。

「まあ、ハードロックが好きなんだね。この前オジー・オズボーンとバッド・カンパニーを聴きに行って。
ヘビメタとかハードロックやってる人は一生懸命やるんだよね。
山本恭司くんのバンドも一緒に島根でやったことがあるんだけど、もう一生懸命やるんだよ!
なんかフォークの人みたいに、言葉で甘えて歌っている人よりは、そっちのほうが認めるんだよね。
甘えても納得させてくれたら良いんだけど、少ないね。中途半端なロックでもつまらないんだ。
ヘビメタの人とかって走り出したら止まらないぜ!って一生懸命やってくれるじゃない。それが好きだね。
生きてく上でも必要だし、栄養になるよね」


「たまには大人しい曲もやってみようと思って」と、耳を澄まさなければ聴こえないくらい静かに静かに、繊細な音色での演奏。
【金平糖】
【とても言えないこんな夢】
【僕は涙がこぼれて落ちた】



「今年は沢山映画を見ました。この前はクレイジーハートっていう映画を見た。
なんで俺のことこんな詳しく書いてあるんだ?って思うくらい良かった。
音楽やってる人はよく分かる内容だよ。」


アコギでは久しぶりの【フォロパジャクエンNO.1】
「この間、共立講堂でフォロパジャクエンNO.1~♪って歌った後に、どうだ!参ったか!って言ったんだよね。
よくあんなこと言えたよね(笑)」
 


「うちに遊びにくる猫のみいこちゃんが、うちだと安心だと思ったからかいつの間にか子どもを三匹連れて来るようになって・・・」

「見てると自分もこうやってお母さんが育ててくれたのかなあと思う。女の子はありがたいなあ。」
 
「俺が見た光景で一番美しかったのは、昔住んでた家に遊びに来た猫のくろこが、どくだみの花の中で月夜の夜に、小さい鼠をポーンと宙に放り投げてじゃれながら食べるんだよ。
猫が踊ってるように見えるんだ。親がそういうのを教えるんだ。偉いなあと思う。」



【僕の音楽は本当にいいの】
まったく知らない異世界に突然放り出されたような、孤独感で胸が締め付けられる。
途中からのストロークが激しく、ギター1本だけの演奏のはずなのにパーカッションの音まで聴こえる・・・!


かなり早いテンポで【君にふにゃふにゃ】【踊ろよベイビー】を続けて演奏。
次の曲のことなど考えてない、一切手加減の無い叫び声。演奏終了後は喉が嗄れて少し苦しそう・・・。
 

「バッド・カンパニーを見に行った時に、女子大で『世界の鈴展』をやってたんだよね。
広い体育館で女の子が一人でポツンと、誰もいなくて(笑) 牛の鈴とかもすごくデカくてカッコイイんだよ!」

「学長さんが集めてるらしいんだけど、ラクダの鈴とかもデカくて珍しいから現地の人にもらってきたはいいけど、お尻につけてたヤツだから糞の匂いが凄くてホテルの風呂場で必死に洗ったんだって(笑)」

ウケる会場の反応を見て、「やっぱりうんこ絡みのネタは良いね。うんこちんちん、とか、基本的な笑いで、僕は好きです」



「俺だって歌ってて苦しいんだよ!平気じゃないんだよ!(笑)
もう止めたい!って思うけど、でもここで止めたらお終いだなって。そこだけは俺もヘビメタなんだよ」



「眠れないんだよ(苦笑)眠れないと死にたくなるよ。
1年に一回くらいはコンサート前にグッスリ眠れる時があるんだけど、その時は最高だね。
眠れないと声も出ないし力も出ないし、嗚呼、今日でもう俺の音楽人生は終わりなんだって。
朝グッタリしてるんだけど、終わったら安心してニコニコしてるんだよ。
皆のおかげだよ!来てくれてありがとう!!」会場、拍手。
 


「会場には俺の音楽を、なんだコイツって見てるヤツが絶対いるんだよね。彼氏が良いって言うから来たけどさ~みたいなヤツが(笑)
でも金払って見に来てくれたんだから、ありがたいよ。俺はそれで食ってくんだから。音楽屋だから!」


「なんで一生懸命やるかって、自分に恥をかかせない為だよ。
アイツ中途半端にやったなあって、人に言わせない為だし、次にまた気に入ってお金払って来てくれたら。
だから頑張るんだよ」
・・・と語って、その内容を証明すべく、文字通り正に「一生懸命」に演奏する【夜汽車のブルース】


演奏後も興奮冷めやらず、叫びながら上手に退場。会場は拍手鳴り止まず。
 

「ありがとう!」と両手を広げながらエンケンさん再登場。
前列の観客数人に丁寧に、ガシッ!ガシッ!と力強く握手。
そして久しぶりに、チョンと指先でE・T握手も(笑)

「オジー・オズボーンが俺の真似してE・T握手やってた!」言い張るエンケンさんに会場、笑。
 

【夢よ叫べ】の前奏を爪弾きながら、「ホレホレ来ちゃった来ちゃった~」と、じわじわ前列の観客に詰め寄って驚かす(笑)ギョっとするお客さん(笑)
 おどけていても、マイク前に戻った時には真剣な表情。


【夢よ叫べ】
眉間に皺を寄せて目を瞑って歌うことがほとんどのエンケンだが、この歌だけはしっかりとまっすぐな瞳で、観客一人一人と視線を合わせながら身体中が震える程の渾身の力を振り絞って歌う。
ラストのキメで回転を始めるも、なんせキャパいっぱいの狭いステージ。
ギターのネックがマイクスタンドにぶつかってしまい、今回は二回転・・・!
演奏終了後はいつものお約束、全身を震わせて最後まで手抜きの無いパフォーマンス・大見得を切って叫びながら退場。
会場にはなごり惜しそうな拍手が響いて、ライブ終了。



























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