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■3月22日(月・祝)  吉祥寺:STAR PINE'S CAFE 「遠藤賢司「純音楽の友」第8弾!“大豆と南京豆”」
【出演】遠藤賢司  【ゲスト】原マスミ


19時開演10分押し、スゥー…っと会場内の照明が降りて、ステージ奥からエンケンさんご登場。
眉間に皺を寄せたいつもの厳しい表情で椅子に座りギターを抱える。
ふと会場を見渡して、「よく来てくれたね」という感じのニコっと優しい笑顔を見せる。
しかしそれもほんの一瞬だけで、また先程以上に厳しい表情でギターを掻きむしりだしての一曲目【満足できるかな】

曲に入り込むのに集中する為か?歌に入るまでの前奏がやたら長い!
正確に計ってはいないが、前奏だけで3分は超えていた。
ライブは始まったばかりだというのに、一曲だけで体力を全て消耗してしまいそうな勢い…この一曲だけでも10分近くかけての大演奏!


「エンケンです。来てくれてありがとう」と挨拶、会場の拍手に応えるように【宇宙を叩け】 【夜汽車のブルース】を勢いに乗って演奏。
途中で弦が切れるが、暴走は止まらない!「シュッシュッ ポッポぉおー!!」と大絶叫と共に弦を引きちぎる!!
血管も一緒に切れたらどうしようかと…。


「最近純音楽の友という最終号がたぶん皆様に届いたと思うんですが、エンケン保存会という、まあファンクラブみたいなものですけれども、よろしかったらエンケンを保存してもらおうという、でも甘えずにやっていこうという気持ちで『保存会』にしたんですけど。」


「斉藤図書之介くんという編集長が、うちの関端と二人で作って、ずっとこの新聞について18年間支えてくれました。
今日も来てるかどうか知りませんが、なにしろカン高い声ですぐ「ひゃぁ~っ!」なんて声出すんで、玉屋!鍵屋!の声なんですぐわかると思いますが斉藤君にひとつ拍手をお願いします。
いつもアンケートを寄せてくださった皆様もありがとうございました。それぞれに拍手を。」会場、拍手。
 


「純音楽の友最終号に寄せてという記事を書かせてもらったんですけれど、やっぱりインクの匂いというのはすごく良くて。」

「うちの関端と斉藤君がやっているんですが、その切迫したやり取りをみたりなんかして、最後になって間に合わない時にはこの私・不滅の男が自転車でポストまで入れに行ったことがありました。
たいがいそれは雨が降ったり寒い夜に限っていて、お巡りさんに見つからないように注意しながら。  
あのエンケン対日本武道館の自転車は特に、天然記念物に近いガッチリした富山の米屋さんからもらった1トン積んでも大丈夫だっていう、まあ僕の中では自転車のコンボイと呼んでいるわけですが、そのコンボイで雨の中を突いて運んだこともありました。
でもいい想い出になりました。いつも購読してくれたみなさん、ありがとうございました。
でもそのうちまた復活すると思いますんで、その時は謄写版刷りでやってくれたら嬉しいな」


墓場の近くにお引っ越しをされて、家の周りには猫が沢山いるという、ブログでの猫シリーズの話。
・よだれ
・のぞき
・琥珀翠
・銭ゲバ
・にらみ …と、お気に入りの猫の話をする時のエンケンさんは、嬉しそうでニコニコととてもかわいい。
 

「なんで日本人は物真似ばっかりしてるんだろう。自分の音楽をやれば良いのに。勉強した勉強したってその段階は終わって、自分で作れよ。
下手とか上手いとかつまらないよとか言われながら、やっていくのが本当の音楽家だと思う。
そこから出発するのが勝負だ思う」
 

ステージ中央のグランドピアノへと移動して、静かなピアノでのインストゥルメンタル【金星のタマちゃんのお昼寝】から【君は僕の人魚姫】
 

「この前、中央附属高校の学園祭に呼んでもらって。 15と16歳の千人位の男女の前でやって、はっきり言って物凄く緊張した。
拍手は初め小さかったけど、じっと聴いてるんだよね。拍手が徐々に大きくなっていくんだけど、俺も必死になって。」
 
「いつもと同じコンサートしかやりたくないなと思って。
なんか若いからとか年とったとか、俺はたとえ幼稚園に行っても同じようにしかしないから。
年齢は関係ない。子供向けの音楽やっている馬鹿野郎にはなりたくねえんだ。
『高校生向けの音楽』なんかあるわけねえんだ。人間として、自分の心を突き動かすのが音楽だから。
それが出来なかったら、音楽は辞めた方が良い。俺はそれで勝負しようと思って。
大人向けの音楽とかって言ってやっている馬鹿は信用しない方が良いぜ。そういう奴は最低だね。ただ逃げてるだけだね。と、俺は思う。どうでしょうかね?」
会場、拍手。
 
「ああ良かった。拍手があると安心するよね。
俺はなんかいつも1人で怒って、言いたいこと言っていつもしょんぼりしてるような(苦笑)
そうだ!今度からは聞けばいいんだね。どうでしょうか?ってね」
 

「いつもと始まる前に寺内武の【津軽じょんがら節】とかかけてるんだけど、今日は映画『イングロリアス・バスターズ』のサントラをかけてたんだけど、あのサントラ盤カッコ良いよね~!」
 
「それでいつも寺内武の津軽じょんがら節を高校生の前でかけたら、凄く笑うんだ。ありゃ、これはとんでもないところに来たかもしれないと思ったら案の定。
エンケンバンドで行ったんだけど、トシとトーベンも必死になって「良いから聴けよ!聴けば良いんだよ!」ってやってくれて。」

「一番前で見てる男の子が「エンケンは俺が守るんだ!」って。
拍手の差とその言葉の差で、ブログにも書いたんだけど夜布団の中で泣いちゃったよ」


「最後に『中附ワッショイ』って高校生がステージに上がって駆け回っちゃって大変だった。
「あ゛ぁ゛~~ッ!!」ってジョン・ライドンがぶっ飛びそうな位の声出して叫んでた。
負けちゃうんじゃないかって凄い迫力の声で。あの声を聞けたのは宝物だね。
俺も同じ人間だからっていう視点でやってるから、こいつら皆大変なんだろうなって思った。それだけで分かった。
音楽は、だから素晴らしいんだと思って、やって良かった。」


「ライブが終わってから、俺もサッカーやってるから…やってるからって言っても下手なんだけど、ただ必死に走ってゴールを目指せってヤツで。
で、呼んでくれた先生がサッカー部の顧問もやってるからってサッカー部と試合しましょうって。楽しかった」


「宝物だね。高校生の叫び声と「エンケンは俺が守る!」っていう。イイ奴だなあって。
俺の宝物は…こうやって毎回来てくれる人は皆、宝物なんだけど、目の手術をした時に、10年前にイラクから来た男の子が目の手術をしに来たでしょう。
たまたまその子と病室が隣だったんだ。凄く寂しそうな顔してたから…俺、そんなことする奴は偽善者だって思ってたんだけど…なんか寂しい顔見たら笑かしてやりたいなって思って。
それで医者に言って会議室みたいなところで館内放送で「これから遠藤賢司さんのコンサートやります」って。
そんなつもりじゃなかったのに!その子の前で歌おうと思って。
それで人がちょこっと集まって。
その子は始めはきょとんとした顔で見てたけど、目の前でギターを弾いたらワアッて笑ってくれた。その笑顔が俺にとっての宝物だね。
後から大使館の人が来て、「彼が日本に来て、初めて楽しかった」って。」会場、拍手。
 
「今頃イラクでどうしてるかな。ウクレレあげて、日本語で「ともだち」って書いて…どうしてるかな。」


「中附高校の時も言ったんだけど、俺の歌全部聴いて欲しいんだけど、特に聴いて欲しいのがこの曲です。」

【とても言えないこんな夢】 続いて【僕は涙がこぼれて落ちた】

【僕の音楽は本当に良いの】
【君にふにゃふにゃ】 怒涛のラブソングの連発に会場、大きな拍手。


「とにかく、彼の歌を聴いて下さい。盛大な拍手を!」とエンケンさんに紹介され、原マスミさんのご登場。
原さん、凄く緊張しておられる…!
 

「…あ…とりあえず…歌います」会場、笑。
 
「今日異常に緊張して…エンケンとは、何度も一緒にやってるんだけど…こういう、ね。
……のは、初めてで…… …………あ、歌います(汗)」
しどろもどろのMCに会場、笑。原さん、可愛いキャラだなあ。


【海のふた】 歌い出してからは流石、流暢に原さんの歌世界を展開。


「だってエンケンでしょ。【カレーライス】聴いた時、こんな声出す人がいるんだ!って思って。
日本人離れしてるっていうか、日本じゃなきゃこんな人は出てこないんですけどね。
音楽的にも影響受けました。ギターやってる人は分かると思うけど、あんな弾けないって!」
客席では、うんうんと、首を縦に振って激しく同意するお客さん多数(笑)


「リハーサルも凄いエネルギーでやってるし。
俺なんかライブ上手くいかないと腐っちゃって、ちょっと投げ気味だったりして… ハッ。今は違うんですよ?!」
会場、笑。


「エンケンさん本当に優しくて。あんなワイルドだから似合わない言葉だけど、天使みたいな。
俺なんか、声高めで優しそうに見えるけど、冷淡だし…エンケンに会う度に、もっと優しくしなきゃって思って… あっでも猫には優しく出来るよ?」会場、笑。


「俺、MCぐちゃぐちゃなのに、エンケン俺に結婚式の司会頼むんですよ?!
あんな広い人脈なのに、よりによって俺に!
で、案の定ぐずぐずになって…「二次会は青山の、エンケンの別れた奥さんの店で~す」ってそこだけ変にやたらハッキリ言っちゃって、台無しになっちゃったんですけどね…
指つめようかなと思った…指つめたらE7とか押さえられないしね…」会場、笑。
 

「エンケン気持ち悪がるから、あんまり言えないけど…兄と慕ってます」


笑いですっかり温まった会場の様子を見て、【教室】を演奏。


エンケンさん再登場。

遠「原くんジュラシックパークに出てくる恐竜に似てる。歌聴いてて思い出した」
原「人間の映画じゃないんだ?!(ボソッと)肉食系…」
遠「昔、『孕ます』って呼ばれてたんでしょ?良いなあカッコ良い!交換しよう!
」原「えぇ~?ブログにも書いてたし…」
遠「何で嫌がるの」
原「ちゃんと避妊しますんで…性欲無いですし…」
遠「もう何言っても言い訳にしか聞こえない」会場、笑。
 

「俺、エンケンより原マスの方が良い。猥雑さと可愛さがある」と仕切りに言ってあげくに、
「今日から原マスになります!」と宣言するエンケンさん。
代わりに原さんがエンケンと呼ばれることに(笑)


「今回のタイトル、南京豆は千葉(原さんの出身地)で、大豆は茨城(エンケンさんの出身地)。似たところあるよね。」


「原くんの音楽は房総半島の荒波の音がする。たまにピカソが出てくるのが嫌だけど。
東映の映画のマークを思い出した。カッコ良い」


エンケンさんが是非やらせて欲しい、とエンケンさんのコーラス&ハーモニカで 【夜の幸】を、共演。
 

熊谷守一の絵が良い、という話。
原「ああいう日本人がいると思うと嬉しい。逆輸入ばっかりで…」
遠「いい加減にしろよ、って思う。音楽も、如何にもクラシックやっています!あっちで音楽の勉強しました!とかもういらないよ。卒業した方が良いよね。」
原「…俺が言っても「そんなことないよ!クラシックも良いよ!」って反論されるよ…エンケンが言うと凄く説得力ある。本物だもん。」



【寝図美よこれが太平洋だ】
(エンケン&原さんのドボンダバダダッタ♪コーラス)「皆この歌好きだね。嬉しいね」


イングロリアス・バスターズのサントラをとにかく薦めるエンケンさん。
原「あれ?クエンティ・タランティーノ?タランティ・クエンティーノ??」会場、笑。
 
「良い映画って根本的に友情がある。タランティーノもそうだけど、友達を大切にするっていうのがある。そこが好きだね。
日本でいうと友情なんか汗臭いとか、そういう言葉がいじめの根本になって日本を駄目にしてる。
友情って必要だし無かったら寂しいよね。
また、見ているお客さんとの友情もあるんだよね。
楽しんでくれっていうよりも、「俺はこういう映画好きなんだけど、どう?楽しい?」って言ってくれる「俺は自分が見たい映画を作ったんだけど、どう?」って…最近のはそういうのから逃げてる。特撮ばっかり見せて」
 

エンケンさんが一番、原さんが二番を歌う、切なくも美しい【星空のワルツ】
 

「凄くギター頑張って練習したのに…」と落ち込む原さんに、「房総半島の音がして良かったよ。昆布とかワカメとか」と励ますエンケンさん(笑)
 

遠「なんか、エーゲ海の音がする、とかいう奴気持ち悪くない?」
原「俺はそっちでも良いけど……」
遠「そっちの方がカッコ良いとか、変な国だよ。テメエの顔見て見ろよって思う。でも俺にも、そんな時あったよ」
原「(ちょっとショック受けつつ)俺、武士顔だし…」会場、笑。


声を合わせて「にゃあ!にゃあ!にゃあ!で」始まる【踊ろよベイビー】
ミラーボールに照らされて、宇宙へ! 拍手喝采に見送られ、原さん退場。


エンケンさんはステージに残りオレンジのグレッチに持ち換えて、何年ぶりかに一人でやるという【可愛い悪魔】

突然、雷鳴のようなエレキの轟音が鳴り響く。客席に降りてエレキを弾きまくるエンケン。
弾きながら階段を登って二階席まで移動して、一階席を見下ろして客席を煽る!
凄く盛り上がってるけど、エンケンさんが動けば動く程、ローディーさん達はシールドの処理が大変だ!!(汗)

一階席に戻ってきたエンケン、ファンサービス旺盛というか…自分自身が「もっと近くで聴かせたい」という貪欲な願望からか!客席後ろの方まで行ってとにかく弾きまくる。
 
更にグランドピアノの前に座って、鍵盤をまるで豪雨のように連打しながらエレキギターの歪音を炸裂!
激しくも繊細なピアノの音色とエレキの轟音の組み合わせが、より混沌とした内情を露にする。
 
マイク前に移動して突然「ちゃんとやれ!ちゃんとやれエンケン!」と大絶叫!
もう十分過ぎる程に、エンケンさんは全力でやってるじゃないですかー?!(泣)
エンケンはあくまでも、自身の為に「ちゃんとやれ!」と言葉を投げかけているのだが…見ているこちらはエンケンを通して、嫌でも自らを振り返ってしまう…
「果たして自分は、《ちゃんと生きる》ことに対して努力をしているのだろうか?」と…。
 

【通好みロック】 これまで原さんと優しい声で歌っていた人と同一人物とは思えない、尋常でない迫力の歌いっぷりで、ラストは「11回(!)回ってツツツの通!!」と身体がのけ反る程の大絶叫で、エンケン退場。


会場の拍手鳴り止まず、ワッショール 【夢よ叫べ】
今回はマイクを通さず、生声生ギターでの熱唱。
会場にいる観客全員の、一人一人の眼を見つめながらひとつひとつの言葉を大切に届けるように歌う。
先程の轟音で耳が遠くなっている筈なのに、不思議な位エンケンさんから発せられる一音一語が、染み入るように会場を包み込んだ。
そしてラストの大見せ場は、オルゴールの人形のようにくるくると何時もより早く回転して…なんと6回転!
新記録だぁ~!!(泣)


拍手喝采を浴びながら、大見得を切って退場するエンケンさん。
会場に【君にふにゃふにゃ(フォークロック編)】が流れるが、拍手は鳴り止まず、エンケンさん再登場。


「原マスが修学旅行のバスの中で歌ったと言ってました」 【カレーライス】
会場からは「聴きたかった!」というような「おぉ~!」と歓声の後、静寂の中で囁くように歌い上げ、大見得を切ってステージを去るエンケンさん。ライブ終了。



ライブ後、エンケンさんに今回の感想をお伝えしました。
「今回ドラムがありませんでしたが、客席に降りてのあのパフォーマンスは【フォロパジャクエンNO.1】の進化形か【通好みロック】の長い前奏だったのでしょうか?」とお伺いしましたらば、あの「ちゃんとやれ!」という叫びは、その名も【ちゃんとやれ!】という新曲だったのだそうです!!
そして更に「今回ピアノを使う予定ではなかったけどね」と…!
えぇえ~ッ…?!即興であの激弾きですか…!!
改めて遠藤賢司の、純音楽の世界の凄さを感じたのでした…。
































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